2022.09.30 コラム

通信距離ごとに解説!トランシーバーのおすすめ機種をご紹介

この記事では通信距離別におすすめのトランシーバーをご紹介します。

これまでトランシーバーを使ったことがない方や、機器の変更を検討中の方がトランシーバー選びで困らないように機能や価格まで丁寧に紹介するので是非最後までご覧ください。

・トランシーバーを導入したいけど種類がたくさんあってわからない

・今使っているトランシーバーの通信距離が足りない

・トランシーバーの更新時期だから最新機種について知りたい

こんなお悩みを解決できる記事をご用意しました。

 

トランシーバーとは

トランシーバーとは送信機と受信機が一体型になっている機器のことです。私たちが普段トランシーバーをという言葉を使うときは業務で連絡を取り合うための無線機のことを指すことがほとんどだと思います。

人によっては個人利用やレジャーで使うような簡易的な無線機のことをトランシーバーと呼び、業務用で使う本格的なものは無線機と呼ぶといったような人それぞれ様々な解釈があります。

トランシーバーの距離について紹介を行う前に「トランシーバー」の定義をしておく必要がありますので、本記事でのトランシーバーは個人、業務用問わず無線機全般のことをトランシーバーと呼ぶことにします。

それでは早速距離別にトランシーバーの種類やおすすめの機器を見ていきましょう。

 

近距離におすすめのトランシーバー

特定小電力トランシーバー

通信距離:100m~1km

端末価格:10,000円~

ランニングコスト:無料

 

数百mから1kmの比較的短い距離でトランシーバーを使いたい方におすすめの機種は特定小電力トランシーバーです。

特定小電力トランシーバーは他の無線機に比べて少ない出力で利用できるトランシーバーのことで、とても手軽に利用できることからも業務用のトランシーバーとして活用されています。

通常、無線機の利用を開始する際は免許局や登録局の申請を行う必要がありますが、特定小電力トランシーバーは特別な手続きを踏むことなく利用を開始できます。

私たちが普段の生活で利用する飲食店、スポーツジム、ショッピングセンターなどでスタッフ同士の連絡手段として使われることも多く、日常生活で目にすることも多いトランシーバーです。

通信距離の短い特定小電力トランシーバーですが、中継器を利用することで出力をあげることができ、通信距離を稼ぐことができます。簡易無線機を使うほどではないけど少し出力が足りないという方はこちらも検討してみましょう。

 

中距離におすすめのトランシーバー

デジタル簡易無線機

通信距離:~5km程度

端末価格:30,000円~

ランニングコスト:無料

 

デジタル簡易無線機は、特定小電力無線よりも広い範囲で通信を行うことができます。

簡易無線にはアナログ方式とデジタル方式がありますが、法改正によりアナログ方式の簡易無線機は利用できなくなることが決定しているため、これから導入を検討する場合はデジタル簡易無線を利用するになります。

デジタル簡易無線は5km程度離れた場所でも通信ができるトランシーバーで、業務用のトランシーバーとして活用の幅が広くなります。

デジタル簡易無線の通信距離は機種の出力によって差があるため、導入を検討する際は出力をしっかりと確認しておきましょう。

また、障害物に弱いため屋内での利用や市街地での利用に向かないケースもあります。屋内利用でフロアを跨いだ通信が発生する場合は通信が不安定になることがありまので、導入を決める前にしっかりと安定した通信が行えるかテストするということも忘れないようにしましょう。

 

一般業務用無線機

トランシーバーを手で持っている

通信距離:~5km程度

端末価格:70,000円~

ランニングコスト:無料

 

一般業務用無線はデジタル簡易無線機よりもさらに公共性の高い現場で利用される業務用のトランシーバーです。デジタル簡易無線機よりもさらに高出力であるため、通信距離は約5km、屋内ではフロアをまたいだ通信も可能になります。デジタル簡易無線では業務のエリアを網羅できない場合に検討しましょう。地方自治体、ガスや電力などのインフラ事業者、バス、タクシーなどで活用されてきました。

また数ある業務用のトランシーバーのなかで、一般業務用無線だけは開局時に無線従事者の資格が必要になりますので注意が必要です。

 

長距離におすすめのトランシーバー

MCA無線機

通信距離:~数十km程度(プランによって拡張可能)

端末価格:100,000円~

ランニングコスト:2,000円~

 

MCA無線は一般財団法人移動無線センターが運営する通信設備を利用して通話を行うトランシーバーです。MCA無線の中継局は全国の様々な場所に設置されており、契約するプランによっては数十kmや数約km距離が離れていても通信が行えます。

ただし、通信エリアを拡大したい場合は各地にある中継局と契約を行わなければいけないため、ランニングコストが高くなってしまう点に注意しましょう。

一般業務用無線と同じレベル、またはそれ以上の長距離をカバーできるにもかかわらず無線従事者の資格は不要で、デジタル簡易無線と同じように免許局または登録局の申請を行えば利用することができる手軽さもメリットの一つです。
免許制度についてはこちら

またマルチチャンネルアクセス方式(MCA方式)という通信方式を取り入れており、複数あるチャンネルから空いているチャンネルを自動で選択して通信を行います。

MCA方式は一回の通話が数分に制限されており、回線の混雑が起こりにくい仕組みになっています。そのため最近では災害対策用のトランシーバーとして活用される事例も増えてきています。

 

IP無線機

色々な種類のIP無線機

通信距離:~数百km程度

端末価格:90,000円~

ランニングコスト:1,500円~

 

IP無線機はここまで紹介したトランシーバーとは全く違う通信方式を利用したトランシーバーです。IP無線機は普段私たちが利用しているスマートフォンや携帯電話と同じ通信方式で無線通話を行います。つまり、皆さんが日本全国どこにいても誰とでもLINEや電話ができるように、IP無線機も日本全国で通話を行うことができます。

MCA無線の場合は日本全国に通信エリアを広げた場合、ランニングコストが増えてしまう可能性があることを指摘しましたが、IP無線機はランニングコストを抑えたうえで長距離通信を実現しました。

さらにIP無線機は無線従事者の資格はもちろん不要ですが、免許局や登録局の申請も不要で端末を購入すれば面倒な手続きを踏むことなくすぐにトランシーバーの運用を開始することができます。

本記事では説明を割愛させていただきますが、IP無線機は通信距離だけでなく機能面でも他のトランシーバーにはないユニークで便利な機能がたくさんあります。気になる方はこちらの記事もぜひ参考にしてみてください。

 

【まとめ】必要な通信距離によって最適なトランシーバーを選ぼう

本記事では近距離、中距離、長距離と必要な通信距離別に様々なトランシーバーをご紹介しました。

最適な機器を選ぶためにはトランシーバーを利用する場面を想像し、どのくらいの通信距離を確保できれば円滑なコミュニケーションをとることができるのかをしっかりと把握することが必要です。

近距離での通話しか必要ないにも関わらず、長距離向けのトランシーバーを選んでしまうと無駄なコストがかかってしまったり、本来必要ない手続きを踏まなければならなかったりということになりかねません。

それぞれの距離に最適なトランシーバー選ぶために本記事の内容を参考にしていただければと思います。