2022.10.21 コラム
【2023年最新】おすすめのトランシーバーと選び方を紹介
業務で使用するトランシーバーの導入を検討するとき、いろいろな種類のトランシーバーがあってどれが最適なのかわからないという話をよく耳にします。
業務用として使用されるトランシーバーにはそれぞれ特徴があり、利用シーンによって最適な機種を選ぶことで業務の効率化、コスト削減が期待できます。
この記事では代表的なトランシーバーについて紹介し、
- 通信距離
- コスト
- 機能
- 免許
上記の観点でおすすめのトランシーバーをご紹介します。
トランシーバーについての知識を深め、最適な機種を選べるようになりましょう。
目次
トランシーバーの種類
特定小電力トランシーバー
特定小電力トランシーバーは近距離での通話におすすめのトランシーバーです。
その名の通り出力がとても小さいのが最大の特徴です。出力が少ないため通信距離はとても短いですが、他の電波に影響を与えないため免許の取得などが不要で他の業務用トランシーバーよりも簡単に運用・管理ができることも魅力です。
デジタル簡易無線
デジタル簡易無線は特定小電力トランシーバーよりも通信距離が広いシーンにおすすめの業務用トランシーバーです。特定小電力トランシーバーよりも出力が大きく最大5Wまでの出力が可能です。出力によって通信距離も機種ごとで違ってきます。
また、障害物に弱いため屋内での利用や市街地での利用に向かないケースもあります。屋内利用でフロアを跨いだ通信が発生する場合は通信が不安定になることがありまので、導入を決める前にしっかりと安定した通信が行えるかテストするということも忘れないようにしましょう。
デジタル簡易無線には「免許局」と「登録局」という二種類があり、用途によって使い分けがされています。トランシーバーの利用を開始するための手続きに違いがありますので、詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
MCA無線
MCA無線は一般財団法人移動無線センターが管理している通信設備を利用して通話を行うトランシーバーです。マルチチャンネル方式という通信方式を取り入れており、いくつかのチャンネルから自動で空いているチャンネルを探し通信を行います。最近では災害時の連絡手段として利用されている事例も多く、様々な分野で活用が進んでいます。
また通信距離も長距離に対応しており、無線従事者の資格が不要という運用の手軽さも特徴のひとつです。
利用を開始するときはデジタル簡易無線と同じく免許局、または登録局の申請が必要になります。
IP無線機
IP無線機は4G/LTEのパケット通信を利用して通話を行うトランシーバーです。ここまで紹介したトランシーバーの中でも圧倒的に広範囲をカバーできます。パケット通信を利用することで従来のトランシーバーよりも高音質が通話できることに加え、画像や動画の送受信ができ、これから新たにトランシーバーを導入するかたは必ず選択肢に入れてほしい最新の機器です。
【距離で選ぶ】おすすめのトランシーバー
トランシーバー選びを進めるうえで重要な「通信距離」で無線機を比べてみましょう。
・近距離での通話ができればOK
限られた場所でのコミュニケーションしか行わない場合は特定小電力トランシーバーやデジタル簡易無線がおすすめです。
特に特定小電力トランシーバーは免許の申請などが必要なく、トランシーバーになじみのない方でも比較的簡単に管理・運用ができます。
特定小電力トランシーバーの通信距離は数百m程度となりますので、イベント会場の運営や、ショップ内でのスタッフ同士の連絡手段などによく用いられます。
デジタル簡易無線機の通信距離は最大5kmほどで、特定小電力トランシーバーでは距離が足りないけれどもMCA無線やIP無線ほどの通信距離が必要ないケースにおすすめです。
・遠距離で通話をしたい!
数十km離れた相手や、日本全国にいる人と通話をする必要がある場合はMCA無線やIP無線機のようなトランシーバーがおすすめです。
MCA無線は日本全国に中継局があり、それぞれと契約をすることで通話ができるようになります。複数の中継局と契約を結ぶことで必要に応じて通信距離を広げることができます。ただし利用する中継局が増えることでランニングコストが増えてしまう点には注意が必要です。
IP無線機は4G/LTEのパケット通信を利用するため、普段私たちがスマートフォンを使って電話ができる場所であればとこでも通話を行うことができます。通信距離に関わらず一定料金で通話ができるため、ランニングコストがかさむ心配をしなくても良い点もおすすめできる理由です。距離だけでなく、山間部や都市部など遮蔽物にも強いため色々な場所で活用できるトランシーバーです。
【コストで選ぶ】おすすめのトランシーバー
トランシーバー選びにはイニシャルコスト、ランニングコストの確認も欠かせません。この記事では毎月必ず費用が発生するランニングコストに焦点を当ててみたいと思います。
・ランニングコストはかけたくない
とにかくコストを抑えてトランシーバーを利用したいというかたは特定小電力トランシーバーがおすすめです。端末を購入してしまえばトランシーバーの維持にコストはかかりません。
デジタル簡易無線の場合は年間の電波使用料や免許申請の手数料が発生します。こちらも毎月発生するようなものではないためランニングコストを抑えた運用が可能です。
・高機能なトランシーバーを低コストで運用したい
広範囲をカバーできる通信エリアを確保しつつ、ランニングコストも最小限に抑えたいという方にはIP無線機がおすすめです。
広範囲をカバーできるトランシーバーにはMCA無線がありますが、どうしてもランニングコストがかさんでしまいます。それに比べてIP無線機は一定料金で広大なエリアをカバーします。また4G/LTEの通信インフラは日々整備されており、トランシーバーを購入した後も通信エリアはどんどん広がっていきます。これは国内キャリアのインフラを利用できるからこそ得られるメリットです。
【機能で選ぶ】おすすめのトランシーバー
トランシーバーはただ単に音声による通話をするだけのものではなくなりました。特にIP無線機ではたくさんの便利機能があり、その一部をご紹介します。皆さんの業務に役立つ機能があると思うのでトランシーバー選びの参考にしてみてください。
・トランシーバーの位置情報を管理できる
IP無線機には位置情報を管理できる動態管理機能を搭載したものがあります。特に車両を使う業務ではこの機能がとても役に立ちます。運行管理者はトランシーバーの位置をパソコンやタブレットで見ることができるため、ドライバーとの通話を減らすことができ安全運行につながります。また、車の速度や状態をステータスで表示させる機能を持ったものもあり、日々機能のアップデートが進んでいます。
・画像や動画の送受信ができる
IP無線機は4G/LTEの通信を使うことができるため、音声通話以外にも画像や動画の送受信を行うことができます。業務内容によっては画像や動画での情報共有が業務効率を大幅に向上させる可能性もあります。
MCA無線でもこのような機能を備えているものがありますが、定額制で標準機能として位置情報や画像・動画の送受信ができるIP無線機のほうがコストパフォーマンスに優れていると言えます。
また、標準機能であれば運用していく中で徐々に活用していくといった方法もとれるためおすすめです。
おすすめのIP無線機はこちら
【免許で選ぶ】おすすめのトランシーバー
トランシーバーの運用には免許局や登録局の申請が必要になるものが多いですが、中には免許を必要としないトランシーバーもあります。免許が不要ということは定期的に発生する費用や手続きが不要になり、トランシーバーの管理が楽になるためおすすめです。
・必要なのは端末のみ!免許不要のトランシーバー
特定小電力トランシーバーとIP無線機は各種申請が不要なトランシーバーです。この二つは機能面に大きな違いがあるため、利用シーンに応じて最適なトランシーバーを選びましょう。
狭いエリア、簡単な通話のみ⇒特定小電力トランシーバー
広いエリア、高機能⇒IP無線機
上記のような基準で検討すれば最適なトランシーバーがみつかるでしょう。
【まとめ】
この記事では業務用におすすめのトランシーバーをポイント別にご紹介しました。
通信距離だけでなく、その他の機能やコスト面でもそれぞれ大きな違いがあることをご理解いただけたと思います。
利用シーンに最適なトランシーバー選びを行えば、業務の効率化が期待できますのでそれぞれの特徴について理解を深めて検討を行ってみましょう。