2021.01.20 防災

IP無線機が災害時におすすめな理由や活用ポイントを解説

日本は地震が多い国であるため、いつ災害に見舞われるかわかりません。また、地震だけでなく台風など自然災害が発生するリスクがあります。

災害時には無線機が役立つことは広く知られていますが、特にIP無線機が災害時に最適な無線機でおすすめです。

では、具体的にIP無線機がなぜ災害時におすすめなのでしょうか。
こちらの記事では、IP無線機が災害時におすすめである理由などについて解説します。

 

IP無線機が災害時におすすめである6つの理由

IP無線機が災害時に役立つ主な理由としては、以下のような点があります。

 

災害時に繋がりやすい

IP無線機が他の無線機と違う点として携帯電話の電波を使用しているという点が挙げられます。
携帯電話は、ほぼ全国津々浦々で使用できることで有名ですが、その電波を利用できるIP無線機は繋がりやすいのです。

他の無線機の弱点もしっかりと補っている点が、IP無線機の魅力の1つです。
他の無線機の場合、どうしても通信距離が限定されてしまいます。

広範囲で利用したい場合は、免許を取得しなければならないなどの問題点もあるので、すぐに導入するのは困難です。
その点で、IP無線機は免許などが不要ですぐに導入できるので非常に便利です。

 

グループトークが可能

災害が発生したら、まずは対策本部が立ち上がり、対策本部を中心として災害状況の把握や救助などの指示が飛びます。

大規模な企業などでは、複数人で情報をシェアしながら対応しなければならないケースもありますが、携帯電話のように基本1対1でしか通話できないのは非効率です。

IP無線機では、他の無線機同様にグループ通話が可能です。
特に対策本部にとっては、各メンバーから随時集まる情報を逐一チェックできますし、またメンバー同士での通話も可能になり、安全かつ効率よく災害に対応できます。

最近ではLINEグループ通話などの方法もありますが、通話に参加するメンバーが同時に話せてしまう電話の方式では、緊急時においては逆に正確な情報共有がしにくくなることもあります。

 

 

位置情報機能がある

通話しながら作業するのもよいですが、IP無線機の場合はGPS機能がついているのが一般的です。
よって、IP無線機を持っている方が、今どの位置にいるのかが瞬時に把握できます。

これを活用すれば、自分がどの位置にいるのかを伝える必要がありません。
特に、大型災害時のように普段とは全く異なる風景の場所であっても、的確に位置を把握できます。

また、対策本部側としては専用のツールを使用すれば、地図上に各メンバーがどこにいるのかをビジュアル的に確認できるのが魅力的です。

 

動画や写真の送受信が可能

IP無線機は、音声通話がメインの機能ですが、大型の液晶モニターが付属しているものが増えています。
また、OSにはAndroidを採用している場合が多いのですが、IP無線機にアプリをインストールして運用することも可能です。

さらには、標準機能として動画や写真をやり取りできる機能があります。
これを活用して、災害現場を動画や写真で伝えることも容易です。

 

メッセージ機能がある

動画や写真だけでなく、メッセージ機能も付いています。

シーンによっては、常に会話するのが難しいという場合もありますが、その場合はメッセージを活用し、文字で指示を出したり情報を集めたりすることも容易です。

入力もしやすく工夫されているものが多いので、急いでメッセージを伝えたい際にもおすすめです。

 

スマートフォンをそのままIP無線機として活用できる

無線機の場合は、同じ電波帯の無線機を用意しておく必要があります。

災害時に備えていつでも持ち出しやすい場所に設置しておくのが一般的ですが、いざ災害が発生するとうまく持ち出せない場合もあるのです。

 

IP無線機の場合、専用端末がありますが、一般的に普及しているスマートフォンに専用アプリをインストールすればIP無線機として利用可能です。

IP無線機とも問題なく通信できるので、想定した以上の被害が出た場合に臨時の端末としてスマートフォンを活用するといった方法も有効かもしれません。

 

また、スマートフォンをIP無線機として利用する際にメリットとなるのがお手持ちのイヤホンもそのまま活用できるという点です。

特に、Bluetoothイヤホンを使用すれは、ポケットなどに入れておくことで手を離して会話が可能です。

 

 

 

 

IP無線機はスマホ・携帯電話と何が違うのか

IP無線機は、スマートフォンと携帯電話と同じく携帯電話網を使用します。

3Gや4G、LTEなどのパケット帯域を通じて音声をパケットに変換し通信する仕組みを採用していることで、音声帯域を利用しないために他ユーザーの影響がなく安定した通話が可能となります。

 

大規模な災害が発生すると、どうしても携帯電話が繋がりにくいという問題が発生しますが、パケット帯域は比較的制限がかかりにくい帯域です。Wi-Fiが利用できる機種もあるので、どんなシーンでも安定した通信が可能です。

データ帯域を利用し音声を小さなパケットに変換して通話を行う方式を採用することで、災害時においても他のユーザーの影響を受けにくく、携帯や固定電話が使えない場合でも通信ができますし、パケット網に輻輳(ふくそう)の心配もありません。

 

IP無線機の災害時活用ポイント3つ

IP無線機を災害時に活用するポイントとしては、以下があります。

 

本部に据え置く

災害対策本部では、据え置きのIP無線機を置くことで各所からの災害報告を集めることができます。
スピーカーなどに接続すれば、災害対策本部のメンバー全員が音声を聞くことが可能です。

また、パソコンを用意して動態管理システムを利用すれば、各IP無線機の位置情報を表示させることができます。

 

ハンディタイプを導入する

ハンディタイプを導入することで、各災害現場にメンバーを派遣して被害状況をチェックできます。

また、IP無線機ならではの動画や写真を撮影して共有できる機能を活用することで、より詳細な被害状況を把握可能です。

ハンディタイプの場合、防水機能が兼ね備えているものが一般的ですので、過酷な環境下でも安心して利用できます。
また、バッテリーの持ちがよい機種を選ぶことで、長時間の作業も容易になります。

オプション品にイヤホンマイクなどがある機種を選ぶと、端末を取り出さずに通話を行えます。災害時の利用ではほとんどの方がこのようなイヤホンマイクを活用しているケースが多く見受けられます。

 

車両には車載向けのIP無線機がおすすめ

より広範囲な災害においては、車載用のIP無線機がおすすめです。

 

改正道路交通法により、さらに運転中の通話について罰則が強化されました。

車両に備え付けられている無線機であれば罰則の対象にならない可能性が高いです。

車載用のIP無線機以外にも、ハンディ機にハンドマイクを接続して運用する方法もあります。

 

いざという時の備えにIP無線機を整備しよう

いつ災害が発生するか分からないために、常に災害に備えて準備することが重要です。

特に、災害現場で役立つIP無線機は整備しておきたいアイテムの1つです。
積極的にIP無線機の導入を検討しましょう。