2022.12.22 時事ネタ
【アナログ無線機廃止】使用期限はいつまで?期限終了までにすべきこと
業務用から個人利用まで様々な用途で活用されてきたアナログ無線機の使用期限が迫ってきています。現在アナログ無線機をご利用中の皆さんはいつまでご自身の無線機が使用できるかきちんと把握できているでしょうか?また、廃止に向けての準備は進んでいますか?
この記事ではアナログ無線機終了の概要や、引き続き無線機を利用するための対応をご紹介します。
目次
終了間近!アナログ無線機とは
アナログ無線機とはアナログ方式を使用して音声通話を行う機器のことです。
現在日本の無線機には、主に 150MHz 帯(アナログ)、350MHz 帯(アナログ)、400MHz帯(デジタル・アナログ)があります。
アナログ無線機はデジタル無線機やIP無線機に比べて通信距離や音質は劣るものの、遮蔽物や地形変化に強いといった特徴があり重宝がられている現場もあります。また大きな電力を必要としないため、バッテリーの持ちがいいことも特徴と言えるでしょう。
このように古臭い印象のあるアナログ無線機ですがいまだに業務用の無線として活躍している機器です。そしてこのアナログ無線機が今後使用できなくなってしまいます。
アナログ無線機が使えるのはいつまで?
ここからはアナログ無線機廃止の動きについてです。
“アナログ簡易無線局(アナログ方式の周波数を使用する350MHz及び400MHz帯の簡易無線局)の 周波数の使用期限は令和6年(2024年)11月30日までとなっております。 (令和3年(2021年)9月1日の制度改正により、周波数の使用期限が延長されました。) ただし、令和3年9月1日以降はアナログ簡易無線局は「再免許」するものに限られ、「新設(新たにアナロ グ簡易無線局を開設すること)」は原則として認められません。”
普段私たちの生活に欠かせない「電波」は無限に使えるものではなく、有限で希少な資源であることをご存知でしょうか?スマホで連絡を取り合ったり、画像や動画を送ることができるのも電波を使うことができるためです。そのほかにも私たちの生活を便利にしてくれる様々なシステムで電波が使用されており、その量はどんどん増えているため電波の有効活用を意識していかなければいけません。
そこでアナログ無線機をデジタル化することで電波の有効活用を進めていこうということなのです。
当初の予定ではアナログ無線機のデジタル化を加速させるため、アナログ方式の周波数を使用する350MHz及び400MHz帯のアナログ無線機については2022年11月30日を使用期限として定めました。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大などの影響で使用期限を2年延長し、2024年11月30日となりました。
使用できなくなる無線機
アナログ無線機がいつまで使えるのかわかったところで、次はどの無線機が対象になるのかを見ていきましょう。
使用期限を迎える無線機は下記になります。
・特定小電力トランシーバー(一部)
・アナログ無線機(350MHz帯)
・アナログ無線機(400MHz帯)
上記を業務で使用している方はすぐにデジタル化に向けた準備を始めましょう。
特定小電力トランシーバーはすべての機器が廃止の対象となるわけではなく、新スプリアス規格に準じている場合アナログでも引き続き使用することができます。
利用中の特定小電力トランシーバーが新スプリアス規格に準じている機種かどうかはトランシーバーの販売店またはメーカーに問い合わせを行い、いつまで使えるのかをしっかりと把握しておきましょう。
アナログ無線機の場合は300MHz帯と400MHz帯が廃止となります。2022年現在の時点で使用期限を迎えるアナログ無線機の免許は再免許に限り認められています。これから新規で使用を開始することはできません。
また、アナログとデジタルのデュアル方式を採用した無線機を利用中の方もアナログ方式の周波数が利用できなくなるため注意が必要です。
アナログ無線機廃止までにすべきこと
それでは廃止対象になる無線機を利用中の方が無線機を使い続けるためにはどのような対応が必要なのでしょうか。主な対応は下記になります。
・特定小電力トランシーバー
対象となる特定小電力トランシーバーを使用中の方で継続してトランシーバーの利用を行いたい場合は、デジタル方式の機種への買い替えが必須となります。利用をやめる場合は無線局の廃止手続きを行いましょう。
・アナログ無線機の場合
対象となるアナログ無線機を使用中の方で継続して無線機の利用を行いたい場合は、デジタル無線機やIP無線機への買い替えが必須となります。利用をやめる場合は無線局の廃止手続きを行いましょう。
・アナログ、デジタルのデュアル方式無線機の場合
デュアル方式の無線機をご利用中の方はアナログ方式での利用ができなくなります。そのためアナログ方式の周波数が発射できないように無線機の改修を行わなければなりません。改修については無線機を購入した販売店や、メーカーに問い合わせてみましょう。
上記のようにアナログ無線機の利用状況によって対応方法が違いますが、デジタル無線機への変更やアナログ方式周波数の停波などの対応を行った場合は総務省へ変更申請を行いましょう。
デジタル無線機への入れ替えは申請など手間がかかります。そこでなるべく手間をかけずに高機能な無線機を利用したい方におすすめなのがIP無線機です。
IP無線機は免許やアンテナの設置が不要で、端末を購入するだけですぐに利用が開始できます。最後にIP無線機について簡単に紹介したいと思います。
アナログ無線機廃止の対応はIP無線機がおすすめ
IP無線機とは、アナログ無線機やデジタル無線機とは全く違った新しい通信方式を採用した最新の業務用無線機です。高性能な無線機を手軽に導入することができるため、アナログ無線機廃止の対応にとてもおすすめな無線機です。
・端末を購入するだけですぐに使える
IP無線機はパケット通信を利用するため、従来の無線機で必要だった免許の申請やアンテナの設置などが不要になりました。さらに通信距離がとても広く、スマートフォンが使える場所であれば日本全国どこにいても高品質な通話を行うことができます。
機器の入れ替えにかかる手間が少ないのに広範囲をカバーする高音質な通話ができるのはIP無線機の一番の特徴です。
・位置情報、画像、動画も送信できる
IP無線機はパケット通信を利用するため、音声だけでなく画像や動画の送受信を行うことができます。音声に加えて視覚からの情報共有ができるため、業務効率のアップが見込めます。
さらに無線機の位置情報をリアルタイムで確認することができる動態管理機能を備えている機種もあるため、業種によっては活用の幅が広がります。
・常に最新の機能を利用できる
IP無線機はスマートフォンと同じようにソフトウェアをアップデートすることで端末を変えることなく新しい機能を使うことができます。導入後も便利な機能が追加される可能性があるIP無線機は長期間利用にも向いています。
IP無線機についてもっと詳しく知りたいという方は下記で最新のIP無線機がご覧いただけますので是非参考にしてみてください。
まとめ
この記事ではアナログ無線機がいつまで使えるのか、そして使用期限までにすべき対応とおすすめの代替ツールを紹介しました。
期限まであと2年ほどありますが、デジタル無線機への移行には時間と手間がかかります。早速情報収集を開始して、スムーズに対応できるよう準備をしていきましょう。