2021.01.20 コラム

PHSサービス終了後はどうする?必要な対応や代わりになる手段

通信技術は日々進歩しており、次々と便利になっていきます。一方で、古い技術は徐々に淘汰されていくことにもなります。

携帯電話が普及し始めた1990年代に広く通信方法として普及したのがPHSです。今でも、一部企業で業務用として使用されていますが、一般ユーザーではほぼ使用されなくなった事実があります。

そしてついにPHSサービスが終了することがアナウンスされました。ここでは、PHSサービス終了における影響、必要な対応について解説します。

サービスは2020年7月末に終了予定であった

PHSとは「Personal Handy-phone System」の略であり、簡易型携帯電話のことを指します。

一般電話回線からPHS用のアンテナを引く形で使用できるので、家庭用のコードレスフォンを外出先でも使えるようにしたのがPHSのスタートとなります。

 

PHSの特徴:高音質低価格

近距離での通話を得意としており、また携帯電話と比較して高音質で料金も安く抑えられるのが特徴です。

端末が発する電磁波が微弱ということもあり、端末価格や基本料金、通話料金のいずれもリーズナブルであるという特徴がありました。

 

PHSの歴史(1995年7月1日~2021年1月31)

1995年7月1日、この日からPHSサービスの歴史の幕が本格的にひらくことになります。

当時はまだ携帯電話自体の電波が今ほど整備されていなかったこともあり、どうしても通話音質が下がるという問題点がありました。

その問題をクリアしたPHSは、とくに若者を中心に大人気となったのです。

PHSの通称であるピッチは流行語になって、ビジネスマンだけでなく女性や若者の需要にも応えるためにPHSは徐々に小型化され、さらにおしゃれなデザインが採用されます。

2000年代に入っても、インターネット接続機能やデジタルカメラ搭載機能など、携帯電話と遜色ない機能が搭載されて、着実なユーザーがいました。

また、PHSならではの特性を活かして、医療現場では重宝されていたのです。

ただ、徐々にPHSの弱点であった電波の弱さが仇となり、徐々にシェアを落としていきます。

2005年を境に徐々にメーカーがPHSから撤退し、最後の砦であったソフトバンクやウィルコムも2018年に新規契約受付を終了して、2020年7月末をもってサービスが終了することがアナウンスされました。

しかし、急遽2021年1月31日に延期されることになったのです。

この背景には、新型コロナウイルス感染拡大の影響があります。

PHSから携帯電話への移行手続きが困難になっており、また医療機関を筆頭としてPHS契約者から延期の要望が数多くあったための措置となります。

ただ、あくまでもサービスが終了することには変わりありません。

一方で、法人向けテレメトリングは継続されます。

 

サービス終了に伴う影響・必要な対応

PHSサービスは、徐々にユーザーが減ってきていますが、少なからず使用している方がいます。

サービス終了に伴って、影響を受けるのは事実であり、また対応が必要な状況です。

主な影響と必要な対応は、以下のとおりです。

PHSサービス終了に伴う影響

PHSサービスが最後まで残っているのが、企業内です。

企業内で通話する方法としてPHSが用いられていますが、4G回線を利用して構内PHSとして内線化しているケースでは、2020年7月末以降も継続して利用することができます。

ただし、現在利用している構内PHSあるいは基地局のスプリアス規格などが古いタイプである場合、2022年11月末で利用できなくなります。

スプリアス規格に関する電波法令が2005年に改正され、2007年11月30日以前に製造された製品が規制の対象となります。

もし旧規格の構内PHSを利用すると違法となって、罰則や罰金の対象になるので要注意です。

必要な対応

もし構内PHSの端末規格が旧規格である場合は、2022年11月末までに新しい規格の機種へ買い替える必要があります。

また、PHSにこだわる必要がない場合は、別途携帯電話やほかの通信方法に乗り換える必要が生じます。

PHSサービス終了後に導入すべき通信手段は?

PHSの機能のひとつとして、グループ通話がありました。複数人が同時に通話できるとあって、とくに企業においては重宝されていたのです。

そのサービスが利用できなくなるだけに、代替えとしても同様の機能を期待したいものです。

そこで、PHSサービス終了後に導入すべき通信手段としてIP無線機があります。

携帯電話も有力な候補となりますが、契約料金がどうしても高いという難点があります。

また、通話料も意識して導入しなければならないという点も見逃せません。

その点で、IP無線機の場合は携帯電話網を利用できて、ほぼ全国で使用できるのが魅力的です。

とくに災害時など、安定して通話できるという点も評価できます。

また、IP無線機はスマートフォンと同様にAndroidを搭載したモデルがあり、Android向けのアプリをインストールしての利用も可能です。

ほかにも、文字や動画、写真などをメッセージなどで共有することもできるので非常に便利です。

無線機と聞くと専用のデバイスを用意しなければならない印象がありますが、スマートフォン向けの専用アプリをインストールすれば、お手持ちのスマートフォンをIP無線機として利用できます。

別途デバイスを用意することなく、手軽にシステムを構築できます。

Wi-Fi利用によって、通話料を抑えることができるなど、PHSの後継システムとして最適です。

IP無線機の通話についてはコチラをご覧ください。

PHSの代わりとしてIP無線機がおすすめ

惜しまれながらサービス終了するPHSですが、その代替となるIP無線機は魅力的な存在です。

既存のスマートフォンを用いてIP無線のシステムを構築できる点も高く評価できます。