2023.03.28 IP無線機
IP無線機とスマホ・携帯電話の違いはココ!業務での使い分けのコツを紹介
業務用無線機の中でも広大なエリアをカバーできるIP無線機。NTTドコモ、KDDI、Softbankなどのキャリアのインフラを利用して通話を行うため、長距離でもクリアな音質で通話を行うことができます。このような特徴から、
「携帯電話と同じ場所で使えるなら携帯電話でいいんじゃないの?」
「スマホじゃなくてわざわざIP無線機を使う意味って何?」
と疑問を抱えている方も少なくないのではないでしょうか?
この記事では携帯電話やスマホとIP無線機の違いを様々な視点でご紹介します。IP無線機と携帯電話にはしっかりと違いがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。IP無線機について正しく理解を深めて、最適な機器を選べるようになりましょう。
目次
IP無線機と携帯電話の違いは通話方式にある
一つ目のIP無線機とスマホ・携帯電話の大きな違いは「通話方式の違い」です。
多くのIP無線機は半二重通信の一種であるPTT(Push to talk)という方式を採用しています。一方、スマホや携帯電話の通話は全二重通信での通話となります。
携帯電話は全二重通信での通話
普段私たちが携帯電話やスマホで電話番号を入力して行う電話は、全二重通信という仕組みを利用して通話を行っています。全二重通信を使った通話の大きな特徴は、対面で会話するのと同じような感覚で「聞く」「話す」を同時に行うことができることです。また通話を開始する際に受信側の受話操作が必要になります。業種によっては受話操作の有無が業務の効率化に直結するケースもあります。受話操作については普段当たり前に行っている操作であるため見逃しがちですので注意しましょう。
IP無線機はPTT(Push to talk)での通話
IP無線機はPTT(Push to talk)という方式で通話を行い、半二重通信を利用しています。半二重通信とは、通話を行う際に送信と受信のどちらかしか行うことができない通話方式です。つまり、自分が話しているときには相手は話をすることができず、相手が話しているときには自分は相手の話を聞くことしかできません。IP無線機をはじめとする多くの業務用無線機ではこの通話方式が採用されています。
私たちは普段の電話を全二重通信で行うことがほとんどで、半二重通信を経験したことがない方が多いのではないでしょうか。なぜ半二重通話のような不便な通話方式が必要なの?と思う方もいると思いますが、半二重通信にもメリットがあります。
まずは相手の受話操作を必要としないため、いつでも相手に音声を届けることができるという点です。また、グループ通話を行う場合では発言できる人が制限されるため情報が伝わりやすくなるといったメリットもあります。
この通話方式によるメリット・デメリットを考慮した使い分けのポイントについて具体的な例を交えてご紹介します。
使い分けのポイント
ここまではスマホや携帯電話、固定電話での通話とIP無線機を使った通話の基本的な違いを説明しましたが、実際に業務用の連絡手段として携帯電話やスマホとIP無線機を比較するときにはどのようなポイントを確認すればよいのでしょうか。
今回は「通話頻度」「通話相手」「通話環境」の3点に注目してどちらが最適か見ていきます。
通話頻度
まず初めに確認すべきは業務における通話頻度です。業務内容によって通話頻度は全く違ってきます。例えば警備や工事現場の交通整理のような業務では、業務中に何度も通話を行います。逆に1日1回~数回しか通話を行わない業務もあり、通話回数が多ければ多いほど通話する機器の選定が重要になります。
- 通話頻度が少ない
通話頻度が少ない業務であれば携帯電話やスマホなどの既存の機器を活用したり、やコストを最優先したものを選ぶという方法が一般的です。
- 通話頻度が多い
通話頻度が多い業務では、発信に必要な操作の手数が少なければ少ないほど業務効率化につながります。全二重通話のところでも触れましたが、固定電話や携帯電話を使った通話では通話を開始するまでいくつかの操作を必要とします。それに対しIP無線機の場合はPTTボタンをワンプッシュするだけで会話を開始できます。
通話相手
次に通話相手が誰であるかということも通信機器選びでは重要なポイントです。
通話に参加する相手は社内の人間のみなのか、社外の関係者も頻繁に通話を行う場合があるのか、通話する必要がある相手は何人いるのかなど様々な視点からイメージしてみましょう。
- 社内の従業員間のみ通話を行う
社内での情報共有やコミュニケーションのみで通話を行う場合は通話頻度や1対多数の通話が発生するのかどうかが機器選びのポイントになります。
通話頻度が高く、グループ通話をした方が業務効率の向上が見込める場合はIP無線機を選ぶことでさらに業務がはかどるかもしれません。
IP無線機はボタンを一回押すだけでたくさんの人に同じ音声を発生することができます。社外の関係者が絡む場合はIP無線機を配備することが現実的に難しい場合もありますが、社内のみで通話を行う場合はIP無線機の導入をおすすめします。
- 社外の関係者への連絡も頻繁に発生する
普段の連絡が社外の関係者にも及ぶ場合は携帯電話やスマホでの通話が基本となるケースが多いですが、社外の通話が頻繁に発生する場合はそれぞれにIP無線機を配備することで業務を効率化することもできます。
このような場合は事前に協力会社や関連会社にもIP無線機の配備が可能なのか、IP無線機を導入することで効率化する可能性があるのかをしっかりと検証することで効果を最大化できるでしょう。
IP無線機に通常の電話と違い、たくさんの通話モードを搭載しています。他の通話モードも知りたいという方はこちらのページも是非参考にしてみてください。
通話環境
業務中に携帯電話やスマホが使えないという場合もあります。例えばタクシーやトラックのドライバーと連絡が取りたい場合に毎回車を停車させて通話を行うといった運用は現実的ではありません。このように車内で通話を行う場合は音声を受信する際に端末の操作を必要としないIP無線機がとても有効になります。操作をしなくても通話を受信できることで情報共有が行えることはもちろん、ドライバーの安全確保にもつながります。
社内での通話に限らず、携帯電話を手に持って業務を行うことが難しいようなシーンではIP無線機のメリットを最大限生かすことができるでしょう。
まとめ
この記事では携帯電話やスマホとIP無線機の違いについて、そして使い分けのポイントをご紹介しました。
両方とも通話を行う手段であることに違いはありませんが、業務での通話で利用する場合普段の生活とは少し違った視点で機器を選定する必要があります。
それぞれの業務にとって最重要視するべきことは何なのか、そして最適な機器は携帯電話、スマホ、IP無線機のどれなのかをしっかりと検討して業務効率を向上させていきましょう。