2024.03.26 防災

「災害対策としての具体的な自助・共助・公助とは」をわかりやすく解説

災害は予期せぬ形で私たちの前に現れ、私たちの生活を一変させます。その影響を最小限に抑えるためには、事前の準備が重要です。しかし、そのような状況でも「自助・共助・公助」の三助があれば、被害を最小限に抑え、災害に立ち向かう力を得ることができます。

この記事では、「自助・共助・公助」の基本理念、自助行動のチェックリスト作成から地域ネットワークの構築、行政との連携強化までの具体的な行動、そしてそれらがどのように連携して災害対策に役立つのかをわかりやすく解説します。

 

災害時の「自助・共助・公助」の重要性

災害時には、自分自身や地域社会、そして行政が果たす役割があります。それぞれが「自助・共助・公助」と呼ばれ、これらが連携することで効果的に助け合える災害対策が可能です。

三助とも呼ばれる「自助・共助・公助」をもう少し具体的にみると、自分自身の安全を確保するための「自助」、地域社会と協力して災害に対処する「共助」、そして行政による支援を受ける「公助」となります。

総務省消防庁の防災・危機管理eカレッジでも、「自助・共助・公助」のどれかひとつだけでは効果的に機能することが難しい災害対策も、三つの要素が相互に連携することで災害対策として強化されるため、「自助・共助・公助」という基本的な枠組みが重要だとされているのです。

【総務省消防庁 防災・危機管理eカレッジ URL:https://www.fdma.go.jp/relocation/e-college/cat63/cat39/cat22/4.html

「自助・共助・公助」の基本理念とは

災害対策における三つの支柱である「自助・共助・公助」、それぞれの基本理念について見ていきましょう。

「自助」は、自分自身の命と財産を守るために、自分自身で行う防災活動のことを指します。

具体的には、日頃から防災意識を持ち災害時の行動計画を立てること、自分自身で適切な行動が取れるように防災用品を備えることなど、防災の準備や避難計画の策定が含まれます。

「共助」は、地域コミュニティ全体で協力し合って、災害に対処することを指します。

地域住民どうしで防災情報を共有したり、防災訓練を行ったりすることで、地域全体の防災力を高めることが可能です。一人だけでは難しい災害対策も、お互いを支えることで、より大きな役割を果たします。

「公助」は、政府、市区町村、消防、警察、自衛隊が提供する災害対策のサポートを指します。

具体的には、災害情報の提供や避難所の設置・運営、救援物資の供給などが含まれます。また日頃から防災計画を立て、災害対策を推進することも「公助」の大切な理念でしょう。

災害対策における三助「自助・共助・公助」の役割

「自助・共助・公助」の三助は、それぞれが独立して機能するだけでなく、相互に連携して役割を果たすことで災害対策の強化となります。

自己責任に基づいて防災準備や避難計画を立て、自分や家族の安全を確保することが「自助」の役割です。

具体的な行動として、非常食の備蓄や避難経路の確認などがあります。

構築された地域ネットワークを活用し地域コミュニティの絆によって、地域社会が一体となって災害対策を行うことを「共助」の役割とし、共同で避難場所や避難生活を支え合うことです。

政府や自治体が責任と資源を活用した支援が「公助」の役割になります。

避難情報の提供や避難所の運営などのサポートにより、災害による被害を最小限に抑えることが可能です。

自助ができる人は、共助によって地域社会を支え、公助はそれらを補完することが「自助・共助・公助」の最大の目的であり、結果として全体としての防災体制を強化します。

これらの役割と目的を理解することは、早急な災害対応、リスクの軽減、迅速な復旧を実現するために不可欠です。

災害時の「自助」の重要性

「自助」は、自分自身で行動を起こすことが必要ですが、災害に対しての準備や計画といった備えがしやすい特徴があります。

なぜなら災害発生時に、自己責任において自分自身の安全を確保するための行動だからです。

また、この行動自体も「自助」ですが、この行動のための準備も「自助」だといえます。そのため、災害時には「自助」がとても重要です。

「自助」の具体的な行動とその効果

「自助」の具体的な行動は、非常用持ち出し袋の準備、避難所への避難経路の把握、地震に備えて家屋の耐震強化、大雨などに対しての浸水・防水対策などがあります。

 

これらの行動は、自分自身の命を守り、災害発生時の生存率を向上させる効果を生みだすことが目的です。

「自助」のための防災準備と計画が重要である理由

「自助」の準備は災害時にできると考えるかもしれませんが、突然襲われる災害時では適切な判断が難しく、混乱することは間違いありません。

だからこそ、事前の準備と計画は、不確実な状況下での適切な判断を助け、安全を確保するために不可欠です。大きな地震に襲われたら、準備した通りに行動することだけで精一杯かもしれません。でも、これが生命を守るための重要な要素となります。

地域社会における「共助」の役割

「共助」の役割は、個々の人々が備える「自助」だけでは対応できないことに対して、地域全体で協力し合うことで対応することです。

個々では難しいことであっても、地域で協力できれば乗り越えることが可能な場合もあります。

「共助」の意義と地域コミュニティで助け合う重要性

「共助」の意義は、地域全体で協力し合うことによって、「自助」では限界があること、より大きな災害や被害への対応、被害軽減や避難生活に対して迅速かつ効果的に実施できることです。

隣人や地域社会との連携、地域コミュニティで助け合うことは、災害時における人々の心の支えとなり、地域の絆を深めることにもつながります。

地域防災活動への参加と共助による地域の絆とコミュニティの力

地域防災活動への参加は、「共助」の精神を育み、地域の絆を強化し、災害時の協力体制を構築しておくことに繋がるため重要です。

日常でのコミュニケーションのきっかけとなり、絆を深めることやコミュニティ力を強化することにも役立ちます。

「公助」の枠組みと行政による支援の役割

「公助」は、政府や自治体が個々の人々や地域社会だけでは対応できない災害に対して、行政が責任を持って対応するという考え方に基づいている支援のことです。

災害や緊急時における市民の安全と福祉を保障するための重要な役割を担っています。

「公助」の具体的な支援とその効果と限界

具体的な「公助」には、災害時の避難所の設置、災害情報の提供、救援物資の配布、復旧作業の実施といったとても役立つ支援がある一方で、政府や自治体が提供する災害対策プログラムや資金援助には限界があるため、あくまで「自助」と「共助」の取り組みを補完する支援であるという認識が必要です。

このような内容は、内閣府の防災情報のページで紹介されている防災白書に、今後の方向性としても記載されています。

【内閣府 防災情報のページ 平成26年版 防災白書|特集 第5章 1 「公助の限界」と自助・共助による「ソフトパワー」の重要性 URL:https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h26/honbun/0b_5s_01_00.html

災害時の行政の対応と市民への期待

被災した市民は、避難所の設置、救援物資の配布、復旧作業の実施など、行政に対して迅速な対応と質・量の支援を期待します。

行政は、責任持って対応するという考え方に基づいて多くの支援を実施してくれますが、一人ひとりの具体的なニーズに対応することは困難です。だからこそ「公助」に対して過剰な期待をするよりも、「自助・共助」の精神を持ち、自分自身と地域全体で乗り切ることを想定しておくことが重要だといえます。

「自助・共助・公助」のバランスと連携の重要性

災害時の対応においては、「自助・共助・公助」の三つの連携がとても重要です。

「自助・共助・公助」は、どれかだけで成立することは難しく、三助それぞれが相互に補完し合うバランスの取れた関係を維持することが必要となります。

三助のバランスを保つための具体的な方法

「自助・共助・公助」のバランスを保つためには、これまでに説明したそれぞれの役割を明確にし、連携を強化することが重要です。日頃からの情報共有や訓練、事前のコミュニケーションと実行計画が重要になります。

災害危険箇所や防災情報などのハザードマップを活用した情報共有、情報共有や情報伝達方法の周知を兼ねた訓練や自主防災組織を活用した避難活動などの促進と連携の強化が有効です。

また、「自助・共助」の取り組みを広げるため、地域コミュニティの活性化のために地区防災計画制度を普及させましょう。

さらに、地域住民と地域の事業者との連携・共生の促進は、地域全体の防災力を向上させることに役立ちます。

災害時における三助の統合的な対応と連携強化

災害に対してスムーズに対応するためには、これら「自助・共助・公助」の三助が統合的に機能し、相互に連携支援し合うことで、より効果的な対応が可能になります。

そのためには、それぞれの役割と重要性を認識して、バランスの取れた連携が欠かせません。自分だけが良ければよいという「自助」ではなく、行政に頼りっぱなしの「公助」でもなく、余裕のある人が連携をしながら「共助」できるような「自助・共助・公助」の構築と連携強化が大切になることでしょう。

まとめ:災害時の「自助・共助・公助」の理解と活用と進化

「自助・共助・公助」の理念を理解し、それぞれの役割を果たすことで、私たちは災害に強い社会を築くことができます。

また、安全と安心の社会を確保するためにも、これらの原則を活用し、進化させることが不可欠です。

「自助・共助・公助」は、相互に補完し合い、上手く機能させ、災害対策の効果を高めることによって、より強靭な社会を新たに築くことできます。