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― お知らせ ―
2021.10.05
防災
通信手段をを確保するにあたり、無線機の使用は一般的です。昨今では、通信距離及び利用用途によって多種多様な無線機が存在しています。
そのことから、各種シーンにおいてどのような無線機を導入すれば良いのか悩まれている方も多いのではないでしょうか。
無線機について調べたことがある方では、広域通信として有効であるMCA無線機とIP無線機をご存知の方も多いでしょう。各々の無線機において違いがあり、汎用性の高さや導入する目的によってはIP無線機の方が良いケースが多いと言えます。
本記事では、MCA無線機とIP無線機それぞれの違い及びIP無線機のメリットについてご説明したいと思います。
目次
MCA無線機とは、MCA無線機専用の中継局を利用して無線通信ができる無線機です。通信を行う相手方の無線機と直接電波をやりとりするわけではなく、全国展開されている中継局を経由して無線通信を行うことが可能となっています。
なお、MCA無線機には次の特徴があります。
MCA無線専用の中継局を全国に配備
MCA無線機を利用するために必要となる中継局は、全国展開されておりその数は114か所に上ります。全国各地に中継局を管理するセンターがあり、利用する地域ごとで契約を行います。
また、中継局を利用するにあたってはいくつの中継局を利用するかによって月額料金が異なり、1つの中継局を利用するごとに20km~40km程度の範囲で無線通信が可能となります。
全国に中継局があるとはいえ、山間部やビルが立ち並ぶ都市部では通信が繋がりにくいこともあるため導入前にデモを行うことをお勧めします。
マルチチャンネル方式
また、MCA無線は専用の通信網をMCA無線の利用者で共同利用します。MCA無線機を利用するための中継局において、無線を使う方に対してオートで空きチャンネルが設定される仕組みとなっており、限定されたチャンネルを全体で満遍なく利用しなければならないため1度の通信時間は3分~5分程度と短時間の通信しかできません。
大規模災害などの緊急時には、順番待ちをしなければならないケースもありますので注意が必要です。
上記のような仕組みで通信を行うため、契約する中継局が多ければ多いほど無線通信可能範囲が拡大していきますが、月額利用料は高くなる傾向にあります。
業務用無線機では、アンテナ設置といったイニシャルコストが発生しますが、MCA無線機では既存の中継局を利用することができますので大きなイニシャルコストは発生しません。
ただし、今後の通信エリアの拡張が加速する可能性は低いため、導入時点での通信エリアはしっかりと確認しておきましょう。
なお、MCA無線機を利用するための中継局においては、無線従事者が配属されていますので業務用無線機と異なり、無線を利用する方に免許を取得を求めることはありません。
IP無線機とは、大手キャリアが展開している既存のインターネット回線を利用することによって無線通信ができる無線機です。インターネット回線を使用する電話と同様に、音声をパケットデータへと変換して無線通信を行うことが可能となっています。
なお、IP無線機には次の特徴があります。
これまでの無線機の仕組みでは、通信用としている相手方の無線機が発出している電波を受信することによって無線通信することが可能でした。そのため、電波の関係上において通信できる距離に限界があり、ある程度の距離が離れていると音声が聞き取りずらくなってしまったり、通信そのものができなくなってしまう問題がありました。
しかし、IP無線機ではスマホなどを利用する際のインターネット回線を主たる通信手段として構築しているため、スマホなどが利用可能なエリアであれば全国どこでも無線通信を行うことが可能となったのです。この圧倒的な通話エリアの広さがIP無線の一番の特徴です。
また、IP無線機ならではの多彩な通話モードが利用できることも魅力の一つです。
MCA無線など、これまでの無線機では、障害物などによって安定した通信が確保できないといった悪影響を大きく受けることも珍しくありませんでしたが、IP無線機では障害物の影響を受けることはほぼありませんので、山間部やビルが立ち並ぶ都市部でも安定した通話を行うことが出来ます。
また、スマホなどにおいてはメール及びインターネットを利用する際に暗号化されたデータを使用しています。IP無線機も同様であり、送受信は暗号化されたデータでやりとりを行っているため、これまでの無線機で発生していた混信に伴う傍受や盗聴などの心配もありません。
なお、IP無線機にはGPS機能が備わっていますので、現在地の把握を非常に簡単に行うことが可能となっています。
IP無線機は携帯電話やスマートフォンで利用するパケット通信を利用するため、月額の利用料が発生します。イニシャルコストについてはアンテナを設置する必要がないためこちらもコストを抑えることが可能です。
MCA無線機のように通信エリアに応じて金額が変わる心配がないので安心して利用できます。
またIP無線機は免許及び資格も必要ありませんので、無線機を購入すれば直ちに導入することが可能となっています。
ここまで、MCA無線機とIP無線機それぞれの違い及びIP無線機のメリットについてご説明をさせて頂きました。
MCA無線機とIP無線機では、利用用途にもよりますが圧倒的にIP無線機の方が優位性が高いことをご理解頂けたと思います。
IP無線機の優位性は、次のとおりです。
今後、無線機導入を検討されておられるのであれば是非ともIP無線機の導入を検討されては如何でしょうか。