2024.02.26 コラム
3G・4G・5Gの違いとは?基礎からわかりやすく解説!
3G・4G・5Gにはどんな違いがあるのでしょうか?
スマホを使っていると、3G・4G・5Gなどの用語がよく使われています。ほとんどの人は通信に関係がある用語だということはご存じでしょう。
では、それぞれどんな違いがあって、どんな特徴があるのでしょうか。今回は、3G・4G・5Gの違いについて基礎からわかりやすく解説します。
目次
3Gとは
3Gとは英表記の「3rd Generation」の略称で「第3世代移動通信システム」の通称のことです。
読み方は「スリージー」と読みます。
また3Gは、音声のみのアナログ方式の1G、インターネットに対応したデジタル方式の2Gの後継の通信方式です。
3Gを一言でいうと、ガラケーで使われている通信のことになります。
3Gの歴史について
3Gが登場したきっかけは「(現在のように)世界のどこでも、1台の携帯電話で通信を行える」という目標を実現するために開発されました。
2Gまではヨーロッパの通信業界が中心でしたが、3Gに変わると米中韓の新勢力が台頭してきます。
これによりさまざまな通信方式が乱立する事態になります。
日本では2001年にNTTドコモが「FOMA」、2002年にJ-フォン(ソフトバンクの前身)が「Vodafone Global Standard」、同年KDDI(現在のau)が「CDMA 1X」などのサービスを開始しました。
現在の3Gは世界中でサービス終了に向かっている状況です。
報道発表資料 : 「FOMA」および「iモード」のサービス終了について | お知らせ | NTTドコモ
3Gの特徴について
3Gの特徴は、無線通信が初めて国際標準になったことと、デジタルでの高速データ通信が可能になったことの2点です。
2Gまでは、無線技術がデジタル化され携帯電話でインターネットが各国内で使えるようになりました。
3Gでは、1つの携帯電話でそのまま海外利用が可能になり、通信の高速大容量化が実現します。
さらに端末はカメラ付きで小型化され、電話機以外の機能も搭載されるようになりました。
3Gの通信速度・能力について
3Gの通信速度は下りで最大3.6Mbps、3.5Gでは下り最大14Mbpsまで高速化が実現しました。
ちなみに2Gは下りが最大64kbpsまでしかでません。
DVD1枚分(約4.7GB)のダウンロードにかかる時間は3Gで約27〜30時間もかかりましたが、3.5Gでは約45分〜1時間程度でできるようになりました。
通信遅延(つうしんちえん)は、約100ms(0.1秒)〜300ms(0.3秒)でかなり時間がかかります。
通信遅延とはタイムラグのことで、数値が小さければタイムラグが小さくなるということです。
3Gでできるようになったこと
3Gになったことで次のことができるようになりました。
・電話による通話、メール(2Gでも可能)
・ウェブサイトの閲覧
・地上デジタル放送の視聴
・ビデオ通話
・写メの送信
・赤外線通信
・電子マネー
このように通信速度の向上によって扱えるデータが増えました。できるようになったことをじっくり見ていくと、現在の4Gや5Gなどの技術発展により恩恵を受けることができるものも含まれていることが分かります。
4Gとは
4Gとは英表記の「4rd Generation」の略称で「第4世代移動通信システム」の通称のことです。
読み方は「フォージー」と読みます。ちなみにLTEとは「3.9G」のことで、4Gの通信規格の1つです。
4Gを一言でいうと、スマホで使われている通信のことになります。
4Gの歴史について
4Gが登場したきっかけは、スマホの登場によるものです。
2010年に世界初の4G対応のアンドロイドスマホ、2012年に4G対応のiPhone5が発売されます。
現在、4Gと呼ばれている通信規格は元々は「3.9G(LTE)」のことです。
4Gと呼ばれている理由は、響きがいいからというマーケティング的な理由です。
2010年頃から4Gは世界各国で導入が始まりました。
日本では、2010年にドコモが「ドコモLTE-Xi(クロッシィ)」、2012年にKDDIが「au 4G LTE」、同年ソフトバンクモバイルが「SoftBank 4G LTE」がそれぞれサービスを開始しました。
現在4Gは主流ですが、次世代通信規格5Gに移行しつつあります。
ちなみに今では考えられませんが、4Gが登場した当時のiPhoneは意外にもイケてない携帯電話扱いをされていました。
4Gの特徴について
4Gの特徴は、それまで光ファイバーでのみ可能だった高速通信・大容量データ通信がモバイル通信でもできるようになったことです。
これによりスマホ利用者が急増し、タブレット・モバイルルータなどを使って、あらゆる場所で通信を行うことができるようになりました。
また動画をスマホで視聴できるようになったことも大きな特徴です。
一般的なウェブサイトの読み込みにストレスがなくなり、大容量ファイルのダウンロードも容易になりました。
4Gの通信速度・能力について
4Gの通信速度は下りで最大1Gbps、上りで最大100Mbpsで、3Gと比べると約1000倍速くなりました。
「3.9G(LTE)」でのDVD1枚分(約4.7GB)のダウンロードにかかる時間は約4〜5分程度です。
通信遅延は10msで、0.01秒までタイムラグが小さくなりました。
同時接続数は10万デバイス/㎢で、これは1㎢あたりに10万台まで同時接続が可能であるということです。
4Gでできるようになったこと
・3Gでできていたことすべて
・動画のストリーミング視聴
・ライブ配信
・オンラインゲーム
・オンラインミーティング
・リモートワーク
5Gとは
5Gとは英表記の「5rd Generation」の略称で「第5世代移動通信システム」の通称のことです。
読み方は「ファイブジー」と読みます。
5Gを一言でいうと、社会インフラに使うことができる超高機能な通信のことです。
5Gの歴史について
5Gが登場したきっかけは、通信をこれまでのコミュニケーションから、社会インフラとして活用するためにより機能が高い通信が必要になったからです。
日本では、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルが2020年から5Gの提供を開始しました。
総務省が発表した2023年3月末の全国の5Gの整備状況は人口カバー率が96.6%と公表されています。
今後社会インフラが革新されるごとに5Gの利用者が増加することが予想されます。
5Gの特徴について
5Gの特徴は次の3点です。
超高速大容量通信
超高速大容量通信とは、4Gの約10〜20倍以上の速度で大容量のデータ通信ができることです。
超高信頼低遅延通信
超高信頼低遅延通信とは、4Gの約1/10までタイムラグを縮小することができることです。
超大量端末同時接続
超大量端末同時接続とは、4Gの約10倍のデバイスを同時接続ができることです。
5Gの通信速度・能力について
5Gの通信速度は下り最大20Gbps、上り最大10Gbpsで、4Gと比べると下りで約20倍、上りでは約100倍も高速通信が可能になります。
5GでDVD1枚(約4.7GB)のダウンロードにかかる時間は約3〜4秒程度です。
通信遅延は1msで、0.001秒までタイムラグが小さくなりました。
同時接続数は100万デバイス/㎢で、1㎢につき100万台まで同時接続が可能です。
5Gでできること
・4Gでできていたことすべて
・4K、8Kの配信
・遅延が命取りになる遠隔制御
・車の自動運転
・スマートファクトリー
・スマート農業
まとめ
今回は、3G・4G・5Gの違いや特徴についてご紹介しました。
3G・4G・5Gは、1G・2Gから続くモバイル通信の歴史です。
およそ10年後ごとに、新しい通信規格が登場し、その時代の通信を支え社会の発展に貢献してきました。
現在3Gは終了に向かっており、4Gはコミュニケーションインフラとしては主流で、5Gに関しては将来的に社会インフラとしての重要性が増すことが予想されます。
今後も通信技術は進化し続け、私たちの生活をより便利で豊かにしていくことでしょう。