2021.07.14 コラム

業務用無線機の周波数について押さえておくべき基礎知識

業務用無線機は、複数のスタッフ間でのコミュニケーションを効率化する手段のひとつです。操作方法もそれほど難しくはないため、ホテルや結婚式場、建設現場やイベント会場など、幅広いシーンで活用されています。携帯電話とは異なり、複数のスタッフへ一斉に連絡できるため、うまく活用することで情報共有を効率化し、業務をスムーズに進められるでしょう。

この記事では、業務用無線機の周波数に関する基礎知識や、使用する際に免許が必要かどうか、といったポイントについて解説します。業務用無線機の導入を検討している方は、ぜひチェックしてください。

 

業務用無線機の周波数に関する基礎知識

業務用無線機を活用する際は、周波数やチャンネルといった言葉をよく使います。ここでは、業務用無線機の周波数に関する基礎的な知識を紹介しますので、チェックしておきましょう。

 

・周波数帯ごとに用途が決められている

業務用無線機とは、警察や消防、タクシー会社やイベント運営会社などが業務で利用する無線機全般を指します。簡単な操作で会話できる、屋内や屋外で安定した通信を実現できる、といった点が大きな特徴です。

 

それぞれの業種で使用する無線機には、特定の周波数帯が割り当てられています。[注1]

誰もが好き勝手な周波数帯で通信すると、混信や情報漏洩が発生する可能性があるからです。警察無線で使用する周波数帯、タクシー無線で使用する周波数帯といったイメージで、業種ごとに使用する周波数帯を決めておくことで、効率的で安全な通信が行えるのです。

 

[注1]

総務省 電波利用ホームページ「周波数帯ごとの主な用途と電波の特徴」

https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq/search/myuse/summary/index.htm

 

・各無線機の周波数を合わせることで通信できる

業務用無線機を用いて会話する際は、各無線機の周波数を同じものに合わせる必要があります。ただ、「周波数を450.2MHzにしてください」などと指示するのは効率が悪いため、「チャンネル1に合わせてください」などと言うのが一般的です。

 

チャンネルとは特定の周波数を割り当てたもので、チャンネル1=○○Hz、チャンネル2=◇◇Hzなどと事前に設定されているため、無線機を利用する際に周波数を気にする必要はありません。チャンネルを合わせるだけで誰でも簡単に通信できることは、無線機の大きなメリットといえるでしょう。

 

業務用無線機に免許は必要?ケースごとに解説

業務用無線には、一般業務無線、簡易無線、特定小電力無線などいくつかの種類があり、免許が必要なケースと不要なケースがあります。免許を持たずに使用すると、電波法に違反してしまう可能性もあるため注意が必要です。以下、免許の要・不要について詳しく解説しますので、確認しておきましょう。

 

・特定小電力無線を除いて基本的には免許が必要

特定小電力無線以外の業務用無線機を使う場合は、基本的には免許が必要です。業務用無線は幅広いシーンで活用されており、一般企業だけではなく、警察や消防、バス会社や鉄道会社なども使用します。電波は有限であるため、業務用無線を誰もが自由に使える状態にすると、スムーズな通信ができなくなるだけでなく、公共的なサービスの質が低下してしまう可能性もあります。

 

そこで、免許制度を導入することで、安定した通信環境を実現しているのです。無免許で業務用無線機を使用すると、電波法違反となるため注意しましょう。

 

・特定小電力無線を使う場合は免許不要

特定小電力無線を使う場合は、免許は必要ありません。特定小電力無線とは、送信出力が10mw以下のものを指します。送信出力が低いため、0.1〜0.5kmほどの狭いエリアでしか通信できませんが、免許がなくても気軽に利用できるため、小規模イベントや飲食店、結婚式場などでの使用に最適です。

 

・簡易無線をレンタルする場合も免許不要

大規模なイベントや音楽ライブを開催する場合は、スタッフ間の連絡を効率化するために簡易無線を導入するケースが多いでしょう。簡易無線は送信出力が1〜5wのもので、特定小電力無線より広いエリアでの通信が可能です。

 

簡易無線を購入する場合は免許申請が必要ですが、レンタルするだけなら免許は必要ありません。基本的には無線機を所有している会社が総務省に申請を出しているため、レンタルする側は免許なしで利用できます。

 

業務用無線機を適切に使ってコミュニケーションを効率化しよう!

今回は、業務用無線機の周波数に関する基礎知識や免許が必要かどうか、といったポイントについて解説しました。業務用無線機は、さまざまな業種で使用されており、用途ごとに特定の周波数帯が割り当てられています。周波数帯を自由に選べるわけではないため注意しましょう。

 

業務用無線機を使用する際は、免許が必要な場合があることにも注意しなければなりません。免許なしで使用すると、電波法に違反してしまうケースもあるため、使用前にしっかりと確認しておきましょう。