2021.07.28 IP無線機

IP無線機やトランシーバーなど通信距離の目安を機器別に解説

業務用や非常時用など、離れた場所にいる人との連絡手段として通信機器を選ぶ際、重要なポイントとなるのはその通信距離です。せっかく通信機器を購入しても、通信距離が用途に対応していないと意味がありません。

ここでは、IP無線機・トランシーバー・インカムの3つの通信距離について解説するとともに、おすすめの商品についてもご紹介します。

無線機の通信距離は電波と同様の広範囲

IP無線機は業務用無線のひとつですが、パケット通信を使用するため、その通信距離は非常に広く、仮に100km以上離れた場所であっても一般的に携帯電話の電波が届く範囲であれば使用が可能です。また、モバイルデータ通信が利用できないエリアでもWi-Fiを使用することができます。

なお、IP無線機では一度に複数名との通話が可能で、なおかつ相手が通話ボタンを押さなくても相手側に音声を届けることがスマホとの大きな違いといえます。

トランシーバーの通信距離の目安は100~300m

トランシーバーは無線機の一種で、受信機と発信機がひとつになっているものです。IP無線機と同様に複数人との通話や通話ボタンを押さずに相手に音声をとどけることができますが、通信料がかからない点と通信距離が短い点がIP無線機との大きな違いです。

免許や登録が不要な「特定小電力トランシーバー」の場合、通信距離は100~300m程度が目安となります。

インカムの通信距離の目安は100~300m

インカムはヘッドセットにイヤホンとマイクが装着されている無線機の一種で、一般的なトランシーバーとの最大の違いは双方向の通信が一斉に行えるという点でしょう。

トランシーバーであれば話す人が一人であるのに対して聞く人は複数ですが、インカムはその場で会話をしているように一斉に複数の人が話したり聞いたりできます。

インカムの通信範囲はトランシーバーと同様に100~300m程度が目安となります。

通信距離で選ぶなら圧倒的にIP無線機がおすすめ

「距離によっては通信できない可能性がある」というリスクを避けたいのであれば、やはり圧倒的にIP無線機がおすすめです。

なお、IP無線機は利用できる範囲が広範囲なだけではなく、免許や資格がなくても使用できる・暗号化によるセキュリティ面の強さ・従来の無線機のように天候や障害物の影響を受けないなどのメリットもあります。

ここからはそんなIP無線機のおすすめ商品をいくつかご紹介しましょう。

ハンディ型IP無線端末IM-550

ハンディ型IP無線端末IM-550はIP68相当の防止・防塵機能を備えた最新のハンディ型IP無線機です。

グループ通話や個別通話などの基本的な機能はもちろん、カメラを搭載しているため画像や動画の送受信が可能です。

また、標準機能で動態管理システムを利用することが出来ます。

野外での利用などハードな環境でIP無線機の利用を検討している方におすすめの端末です。

ハンディ型の端末ではありますが、車載クレイドルやハンドマイクなどを組み合わせて車内用のIP無線機としても利用することが出来ます。

ハンディ型IP無線端末IM-530

ハンディ型IP無線端末IM-530は業界最小・最軽量モデルのIP無線機です。

胸ポケットにも収まるサイズ感で、携帯性に優れており常にIP無線機を持ち歩く必要があるシーンにおすすめです。

コンパクトな端末ながらも音声通話機能はハイエンドモデルと同等レベルの水準を保っています。

また、電池パックの交換が自分でできるため長時間IP無線機を使う場合にも活用できます。

車載型IP無線端末IM-870

IM-870は車載専用のIP無線端末で、安全運転に支障をきたさない設計がされています。

車両に取り付けられている通信デバイスと接続可能なゲートウェイ機能や、トンネルの中や屋内などでも位置情報が管理できるデッドレコニング機能に加え、IM-550やIM-530との通話も可能です。

また、動態管理システム「モバロケ」やLINEとの連携(オプション)にも対応しています。

無線機は利用範囲や用途に合わせて選ぼう

ここまで、IP無線機・トランシーバー・インカムそれぞれの特徴と通信距離の違いをご紹介してきましたが、店内や工場内のみなど、使用する範囲が限られているのであれば、通信料のかからないトランシーバーやインカムで十分に対応が可能でしょう。

一方、自動車の運転などの移動を伴う場合や、災害時に全国にある支店と本社の連絡手段として使用するような場合など、通信距離によるリスクを回避したいのであれば、圧倒的にIP無線機が適しているといえます。

IP無線機・トランシーバー・インカムともに免許の申請は不要ですので、利用範囲や用途に合わせて選ぶことで、コストや利便性に納得のいく使い方ができるでしょう。